和 白 の 家 house in Wajiro

傾斜地への建築方法を模索する中で、複数案の隅っこに提示した浮き箱のような案。初回プレゼンでは別のプランを提示しましたが、後日断られ、この浮き箱案を強く求められました。
敷地は福岡市内東区の小高い景勝地。既設擁壁は斜面下端で打ち留まっており、敷地の大半が傾斜地で残された平場は僅かでした。この斜面に対しどうやって建築基礎を費用をかけずに定着させるかが課題でした。
そこで大きくなり過ぎない左右計8本の鉄骨支柱を均等に配置し、柱を受ける基礎は斜面に沿うように地中梁を連結させる事で建物を支持させました。また、杭が既設L型擁壁に抵触しないように一部斜柱を用いています。
結果、斜面を壊し過ぎる事なく生まれた大きな軒下空間。住居内から見える眺望空間とは別の居場所を造り出せました。大きなコンクリート基礎を造るよりは費用を抑えられ、斜面形状の記憶を繋ぎ、構造的に寄り添えた建築となりました。
 写真:林建築計画事務所
- 建築概要 -​​​​​​​
建築場所:福岡県福岡市
主要用途:専用住宅
敷地面積:274.03
建築面積:121.16
延床面積:221.51
構造規模:鉄骨造2階建て
竣工年月:2015
施工:Sホーム
構造:株式会社 甲斐構造設計事務所